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COVID-19患者への薬物治療 開始検討時期を「状況を考慮」に変更/日本感染症学会

最終更新: 7月16日

2020.6.10 ヒポクラ × マイナビ編集部

日本感染症学会が指針「COVID19に対する薬物治療の考え方(第4版)」を公表しました。薬物治療の開始を検討するタイミングについて、これまで「低酸素血症を呈し継続的な酸素投与が必要となった段階」としていた厳しい参考基準を、「低酸素血症・酸素投与などの状況を考慮」に変更しました。 COVID-19の薬物治療に関して、学会は慎重な姿勢を取っています。 薬物治療の対象は指針第4版でも、60歳以上の患者と基礎疾患を持つ患者、酸素投与と対症療法だけでは呼吸不全が悪化傾向にある患者として第3版から変更はせず、重篤な呼吸不全を起こす可能性が高く死亡率が高い患者に限定しています。 ただし、薬物治療の開始を検討するタイミングについては第4版で、「低酸素血症・酸素投与などの状況を考慮し抗ウイルス薬の投与を検討する」と変更しました。第3版の「低酸素血症を呈し継続的な酸素投与が必要になった段階で抗ウイルス薬の投与を検討する」に比べ、より柔軟な対応ができるようになったと言えます。

  1. 概ね60歳未満の患者では肺炎を発症しても自然経過の中で治癒する例が多いため、必ずしも抗ウイルス薬を投与せずとも経過を観察してよい

  2. 概ね60歳以上の患者では重篤な呼吸不全を起こす可能性が高く、死亡率も高いため、低酸素血症・酸素投与などの状況を考慮し抗ウイルス薬の投与を検討する

  3. 糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患・悪性腫瘍、喫煙による慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制状態等のある患者においても上記2に準じる

  4. 年齢にかかわらず、酸素投与と対症療法だけでは呼吸不全が悪化傾向にある例では抗ウイルス薬の投与を検討する

  5. PCRなどによりCOVID-19 の確定診断がついていない患者は抗ウイルス薬の適応とはならない

提示した治療薬は6剤

第4版はCOVID-19の治療薬として▽レムデシビル(商品名:ベクルリー)▽ファビピラビル(商品名:アビガン)▽シクレソニド(商品名:オルベスコ)▽ロピナビル・リトナビル(商品名:カレトラ)▽トシリズマブ(商品名:アクテムラ)▽ナファモスタット――の6剤を挙げています。

第3版で治療薬に含まれていたヒドロキシクロロキンが削除され、汎発性血管内血液凝固症(DIC)などに適応のあるナファモスタットが新たに加えられました。

指針は他に、COVID-19の治療に使用できる可能性のある薬剤として、インターフェロン、カモスタット、ナファモスタットを挙げていますが、これらについては「効果や併用効果に関しては今後の知見が待たれる」としています。


詳細はこちら
COVID-19に対する薬物治療の考え方(第4版)