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再感染はある? 喫煙者は重症化しやすい? COVID-19に関する文献的考察を公開 日本呼吸器学会

更新日:2020年7月16日

2020.5.12 ヒポクラ × マイナビ編集部

再感染はあるのか、嗅覚や味覚の変化は特有の症状なのか、喫煙者は重症化しやすいのか、治療をする上で注意すべきことは何か――。COVID-19は未解明な部分が多く、皆さんもさまざまな疑問を抱えているのではないでしょうか。日本呼吸器学会がそれらの疑問について、公表されている文献などの情報をまとめ、「COVID-19 に関する一般的な質問に対する現時点での文献的考察として紹介しています。


再感染はあるのか

再感染についてはアカゲザルの研究を紹介しています。 4匹のアカゲザルにSARS-Co-2(新型コロナウイルス)を感染させたところ、肺炎などの臨床症状が出て、特異抗体の陽性が確認されたそうです。症状が改善した感染28日後、4匹のうちの2匹にSARS-Co-2を再暴露させてみると、主要組織でのウイルス複製はなく、再発は認められなかったとのことです。


嗅覚や味覚の変化は特有の症状か

突発的な嗅覚障害や味覚異常がCOVID-19の特有の症状であるという報告が増えているそうです。 ドイツでは感染者の3分の2以上、韓国では3分の1に嗅覚障害が出たとの報告があるといいます。またイタリアでは3分の2に嗅覚または味覚の変化があり、変化のタイミングは「他の症状の後」が最も多く、次いで「他の症状と同時」、「他の症状の前」の順だったとのことです。


喫煙者は重症化しやすいのか

喫煙との関連についても明記しています。 中国の5つの研究のシステマチックレビューによると、喫煙者の患者はICU入室、人工呼吸管理、死亡の割合が高いことが明らかになったといいます。喫煙者は非喫煙者と比べ、重篤な症状になるリスクが1.4倍高く、ICU入室・人工呼吸管理・死亡のリスクは2.4倍高かったそうです。


感染メカニズムから考える治療や予防の注意点は

SARS-CoV-2の感染のメカニズムと治療や予防との関係も複数紹介されています。 SARS-CoV-2はヒトの細胞表面にあるACE2受容体に結合し、酵素のTMPRSS2の働きで感染を成立させることが明らかになっています。ACE2とTMPRSS2は鼻粘膜の杯細胞、肺胞の上皮細胞、小腸の上皮細胞などに発現しており、SARS-Co-2はそれらの細胞に感染しやすいと考えられています。 そこで、治療において注意しなくてはならないのがインターフェロンの投与です。通常はウイルス感染を抑える働きをするインターフェロンαとγが、感染細胞周辺の細胞のACE2を増やすのだそうです。このため、インターフェロンの投与によりさらに感染しやすくなる可能性があり、慎重な検討が必要とのことです。 また、COVID-19は消化器症状が現れる患者も多くいます。糞便からのSARS-CoV-2の検出は呼吸器検体と同程度ということが分かっています。喀痰でPCR陰性の後も、糞便についてはPCR陽性が1~11日間続くという報告もあり、糞便からの感染のリスクも注意しなくてはならないとのことです。


BCGワクチンの有効性は

BCGワクチンの有効性については、BCGワクチンが使用されている国はそうでない国と比べてCOVID-19の発生率が少ないという報告があります。 これに対しては、WHO(世界保健機関)の「十分な証拠がないため、WHOとしてはCOVID-19の予防のためのBCGワクチン接種を推奨していません。COVID-19についてはいくつかの臨床試験が進行中です」というレビューを紹介。 日本ワクチン学会による「本来の適応と対象に合致しない接種が増大する結果、定期接種としての乳児へのBCGワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない」との提言も掲載しています。


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